好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
初秋の柔らかい風に黒髪と、緑ヶ丘学園の白いリボンがなびく。


「ミス緑ヶ丘じゃね?」

視線がまとわりつく。


いつものこと。


お嬢様学校の生徒が徒歩で帰るのは珍しい。

そして、二年連続「ミス緑ヶ丘」に選ばれた愛崎聖里奈が目の前を歩けば尚更目立つ。


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