冷たい君の裏側に
「えっと、ありがと」 「あぁ」

俺の持ってる中で一番小さいジーンズとTシャツを着た未音が風呂場から出て来た。

「きゃっ」
ドサッ

未音には長すぎるズボンの裾を踏んだらしく、俺の上に倒れてきた。


「…おい大丈夫かよ?」

数センチ先に、真っ赤な未音の顔。
フワッと香るのは俺のシャンプー。

やべぇ…
調子狂う。
こんなに可愛かったっけ?


スッ


無意識のうちに、未音の髪を撫でていた。

「え…」



驚いた顔をする未音に、フッと我に返る。



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