世界が私の味方かも。

「……てか俺、女の子とこんなことあんましないから、力加減とか分かんないんだけど」


痛い?と、手をぎゅっとしながら彼は聞く。


……“女の子”ねぇ…。


ひっかかる。



もしかしたら、誰でもいいんですかね。

“女の子”なら。



なんて言える筈もなく、「大丈夫、痛くないよ」と笑うことしか出来なかった。



結局、手は、離した。



******



いつの間にか外は夜の闇に包まれていた。

今日は日曜日なので、下の図書館は5時で閉館してしまうが、この階は夜の9時半まで開いている。

時刻は既に8時近い。


なんか、時間経つの超早い。


「なんか、さみぃ」


彼が肩をさすりながら言う。


「うそ、あたし全然」


日が沈んだせいだろうか。
なにか羽織る物をもってきていればよかったのだが、あいにく今日は特にない。
自分の持ち物を見渡すと、フェイスタオルを見つけた。

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