世界が私の味方かも。

「とりあえずこれかけとく? 何もないよりマシだと思うけど」


ぱさ、と彼の肩にかけると、ちょうど彼の肩幅に収まる。
プール上がりの女子高生みたい。
ふふ、と思わず笑う。




「柄、超ディズニーなんだけど」


私のタオルを見ながら彼が言う。
黄色の熊とピンクの豚が手を繋いだ刺繍が、ちょうど彼の肩のすみにくる。


「大丈夫、似合う似合う」


笑いながら彼に言う。


「まーいーや。こうしとく。ありがと。」


また机に向かおうとした彼が、思い出したように、言う。


「そういや、いい加減、暗証番号教えなさいよ」


「……今年花火見てないなぁ……」


「そこ、はぐらかすの下手くそ過ぎだろ」


窓の外を眺める私に、笑ってツッコミを入れる。



そしてまた始まる、彼との雑談タイム。


……しあわせ。




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