世界が私の味方かも。

ちらりと見遣り、2ヶ月振りの彼を噛み締める。



相変わらず背が高い所とか、

無駄に足が長いところとか、

ちょっと天パ気味な髪だとか、

あたしの大好きなアヒル口だとか、

程よく低い声に、柔らかい喋り方だとか、


なんにも変わらない。


隣にいると、とろりと空気が甘く溶けるような感覚に包まれる。

これも、変わらない。




各々の自転車を取って、そのまま少し立ち話。


私達が逢う『いつものところ』は自転車で1分。


この流れで、行けちゃったりしないかな。


だけど、そんな淡い希望は、マナーモードを解除するために開いた私の携帯に送られて来ていたメールで、見事に打ち砕かれた。



『ポニョ見たいからTSUTAYA行こう』


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