世界が私の味方かも。
帰省してきている姉からのメールだった。
「……どうしたの?」
「…姉ちゃんが、ポニョ借りに行こうって」
「ぶはっ」
笑い出す彼。
「なぜこのタイミングでポニョなんだよっ…! アリエッティならまだわかるけど」
「……アリエッティは見たいけど、そのまえに見てないポニョを見てからじゃないと、姉ちゃん的に次のアリエッティには進めないって前言ってた」
「……くっ」
くくく、っと笑いを堪える彼。
「なんか、さすがお前の姉ちゃんって感じするな」
「なにそれ。 てか、えー…じゃあ帰んなきゃいけないのー…」
「姉ちゃん折角帰省中なんだから、付き合ってやりなさいよ」
諭すような口調で、彼が言う。
「えー…」
私は基本的に姉とは仲は良いし、普段だったら喜んで行くが、このタイミングでのこれはちょっと困る。
だって、今日を逃したら、彼と次にいつ会えるかわからない。
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