世界が私の味方かも。
「えー、じゃないの。ってか、俺も今日塾だし」
「えぇー…」
私が顔をしかめると、彼は呆れたように優しく笑った。
「すっごい残念そうな顔するね、君」
当たり前ですよ。
残念に決まってます。
貴方は、別にそうじゃないかもしれないけれど。
「……だって……次、いつになるかわかんないじゃん」
まともに、彼の顔が見れない。
「来るよ」
「え?」
「明日も、この図書館来るから」
え……
「ほ、ほんと…!?」
「ほんとほんと。だから、今日は帰りなさい」
そう、子供に言い聞かせるように言って、私の頭をぽんぽんとする。
ほんとに?
ほんとに?
ほんとに、明日も、会えちゃうの?
やばいやばい、ねえ、奇跡が起きたよ。
*世界が私の味方かも*
(私の世界に、君という神様が、微笑んだ)