花とキミ*春・夏
「あのね‥空哉くんが私を
嫌いだと思うって言ったのは、
ちゃんと理由があるの。」
「それ‥気になってたのよ。
証拠ってやつ‥直接言われた
わけじゃないんでしょ?」
「うん、そうなんだけど‥」
やっぱり、言葉に詰まって
一旦 言葉を切った。
「先輩‥ファンクラブ会長さんの
ボイスレコーダー。」
「え‥」
「それが‥私の言ってた証拠。」
「ちょっ‥ちょっと待って。
そのボイスレコーダーに、
海谷の声が録音されてたの?」
「うん、そうなの‥
頼めば聞かせてもらえるかも
しれないけど‥
私、覚えてるんだ。」