花とキミ*春・夏
「はぁ‥」
危なかった。
無意識なのかよ‥
――‥ブーッブーッ
誰だよ‥‥《如月 雷哉》
「あ‥何だよ?」
『何よ‥機嫌悪いわね。』
「は‥藍沢?」
電話、雷哉だったよな?
『そうだけど‥
花菜、何もしなかったの?』
「はぁ?藍沢‥まさか、お前か。」
『ちゃんと花菜やったの?!
どうだった?上目遣いでお礼は。
上目遣い、なってた?』
「あんなぁ‥
上目遣いどころの話じゃねぇよ。
服の裾掴まれたと思って、
振り向いたら、
‥目潤んでるわ、
スッゴい上目遣いだわ、
首傾げてるだなんだで‥
大変だったんだぞ?」