花とキミ*春・夏
*花菜side
私を借りて、
わざわざ送ってくれた空哉くん。
「花菜‥サンキューな。」
「うん‥いいんだけど‥‥
空哉くん?」
「‥‥ん?」
「お題‥何だったの?」
これが分かんなかった‥
インタビューもよく分かんなかったし‥
待機場所に戻りかけていた空哉くんは
後ろを振り返った。
「いつか‥分かるよ。
今は‥―――――」
空哉くんは少し間を置いた‥
「‥‥‥?」
そして、
「シィー‥」
と細長い人差し指を口に当て、
片目をつぶった。
「海谷ー早く戻れー!!」
後ろから先生に呼ばれ、
何事も無かったように行ってしまった。