花とキミ*春・夏
私に近づいてきた空哉くんは
ポンポンと頭を撫でた。
「うん‥そだね。」
空哉くんと一緒に帰るんだ‥
そう思ったら
『シィ‥』
ふと、さっきの表情を思い出した。
‥――ドキ、ドキ
また心臓が音をたてて動き出した。
「‥花菜?」
「‥え、何?」
「ボーッとして‥大丈夫か?
帰るぞ?」
「あ‥うん。」
バックを持って、少し前を歩いている
空哉くんを追いかけた。
‥―――――――――――
「そういえば‥さっき思ったんだけど、
花菜そんなに足遅くないよな。」
「‥え?遅いよ。」