花とキミ*春・夏
それから。
母さんがうるさいから、
着替えて早めに家を出ることにした。
「ちょっ‥空哉、もう行くの?!」
「行くけど?」
「じゃあ、はい。」
と手渡されたもの。
「‥何これ。」
「見て分かんないの?
バラの造花‥まぁ、髪飾りね。」
いや‥分かるけどさ。
真っ赤なバラってことくらい。
「俺にどうしろって言うわけ?」
「花菜ちゃんへのプレゼント♪
浴衣着てくるだろうから、
似合うかなって思って〜
まぁ、空哉への手助けでもあるけど。
花言葉は、《あなたを愛してる》よ♪」