花とキミ*春・夏
「はいはい‥」
ちょっと軽く流してみた。
「‥お、着いた。」
「送ってもらっちゃったね‥
ありがとう。」
「大丈夫。‥じゃあ、な。」
名残惜しく思いながらも、
繋いでた手を離した。
「うん‥じゃあね‥」
‥――キュッ
「‥お?」
これ‥前もあったな。
花菜が服の裾掴むこと‥
「あ‥ごめん。」
「どうした?」
花菜の顔を覗きこんだ。
「何か‥夢みたいって思って‥
寂しいなって。」
‥――ギュッ
花菜を抱きしめた。
「夢じゃないから‥
寂しかったら、
電話でもメールでも待ってる。」
「うん‥ありがとう。」
「じゃあな。‥家、入っとけ。」
「ううん‥見送ってる。
バイバイ!!」
本当に花菜ってズルい。
夢みたいだよな‥でも違うから。
絶対‥大切にする。