花とキミ*春・夏
驚きすぎて、立ち上がると
周りのお客さんにジロジロ見られた。
「あ‥‥」
近くの人にペコッと頭を下げて
席に座った。
「花菜は‥気づいてないって
分かってたけどね。
何も、そんなに驚かなくても。」
璃菜、
さっきから分かってた、
分かってたって‥
「璃菜って‥何者?」
「何者って‥
花菜が鈍感なだけじゃない。
海谷なんて、分かりやすいもんよ?」
璃菜‥さすがだよ‥
尊敬にも似た眼差しで、璃菜を見つめる。
「‥それより。
私には、
もっと気になってることがあるのよ。」
「気になってること‥って?」