花とキミ*春・夏
てか、花菜たち前に座ってんじゃねぇの?
話、丸聞こえじゃねぇかよ。
ちょっと文句言ってやろうと
隣を見ると、雷哉は身を乗り出して
前の席を覗き込んでいた。
「雷哉‥何やってんだ?」
「しぃー‥」
「は?」
ちょいちょいと前を指差され
覗いてみると、
「「スー‥スー‥」」
花菜と藍沢は、
互いに寄りかかる感じで眠っていた。
「行く前から、疲れてたのかな‥」
「さぁ‥どうだろうな?」
初めて会った時と同じ。
やっぱ、睫毛長い‥
「2人とも‥可愛いよな‥
寝顔とか特に。」
まぁ、確かに。
「んっ‥」
花菜が軽く寝返りを打ち、
藍沢の服をつまんだ。
そして、ふにゃぁって笑った。
「‥っ。」か‥可愛い。
なんか、柄にもなく照れてた‥俺がいた。