みっくすじゅーす

「え、えーと・・・。冗談ですよね?李斗さん。」

目の前に、ブラックな笑顔を浮かべていらっしゃる帝王様。


「は?冗談?なにがだよ。」

やっと仲直りできたかと思ったら、なんだよこれっ!


「ぬ、ぬ、脱げって・・・じょ、冗談だよな!?」


「は?マジだけど。」



いやぁああ!誰か助けてっ!



どうしてこうなったか。それは、数分前に遡る。






数分前




俺は、やっぱり謝らないとな。と思い李斗の部屋へいったのだ。


コンコン


「李斗。いる?」



「・・・唯か。入っていいぞ」



ガチャッ



「しつれいしま・・・・す。」


びっくりした。

部屋一面に紙がたくさん貼ってあったのだ。しかも、全部洋服の絵。



そして、部屋の隅には大量の布。


そして中央には・・・



「綺麗・・・。」


うっとりするくらい綺麗なドレスがあったのだ。

「・・・・なんのようだ?」



「あ、えっとさ。今まで騙しててごめん。・・・・許してくれる?」


チラッと李斗の表情を見ると、

「ばーか。んなもんもう気にしてねぇよ。それよりさ、・・・・・・脱げよ。」




「は?」





「いいから脱げ。」






「はぁああああ!?」





と、



今に至るのです。




「理由を述べよ!」



「・・・この服着てもらうためだよ。普通わかるだろ?」



こんの野郎。はじめからそういえよっ!



「・・・でも、なんで俺?」


「・・・どうだっていいだろ?早く着れ。あ、あのウィッグもつけろよ?そのままじゃ、男が女装してるみてぇでキモいからさ」


何奴!


嫌な奴!


「わかったよ!着りゃいいんだろ?」


そう言って俺はドレスをもらうと、



「待ってろ!度肝を抜かせてやる!」


と、カッコ悪い言葉を言って部屋を出た。



「・・・・なんだあいつ。」







数十分後。




鏡の前で、何回もチェックする。


淡い水色のミニドレスで、ユリの花のコサージュがついたドレス。

胸元は結構あいていて、露出度が半端ない。

けど、水色のおかげ?であまりエロくない。

俺は意を決して李斗の部屋に行った。


「ど、どうですかえ?」

あぁああっ!恥ずかしいっ!顔から火が出そう!絶対変だって言われる!


「・・・・・・。」

びっくりした顔で固まっている李斗。


そんなにキモかった・・・?

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