涙の海
激情
夢の中
彼にまた会った
とても愛しい彼
でも・・・みんな偽りの世界なんだ


彼はまた私を抱きしめようと手を伸ばしてきた
私はそれを払いのけ

「触らないで!あなたは誰なの!?私はもうここにいてはいけないの!」

と訴えた
夢の世界で初めて言葉を発した
すると彼が泣きながら

「君は・・・もう完全に別の人なのか・・・?」

「分からないわ。あなたがなにを言いたいか。もう・・・出て行って」

そして彼は白い部屋から出て行った




目を覚ますと、リックがいた

「今日はみんなでパーティーをするよ!」

起きぬけの私はその言葉を聞き、急いで支度をした
なんのパーティーなんだろう
なにか良いことでもあったのだろうか


少し広くなった場所
みんながいつも集まっている場所でパーティーの準備ができていた
豪華なご馳走
華やかな飾り付け
どれも胸を踊らせる

「今日はなんのパーティーなの?」

アルバートに尋ねてみる

「今日は・・・マリンのためのパーティーじゃよ」

「私の?私、何かあったかなぁ?」

「さぁ、始めるわよ」

フェイが促す
私達は皆、食事を始めた

「今日は、マリンにといつまでも一緒にいれるように願うパーティーなんだ」

リックが言う

「私はいつだってみんなと一緒だよ?パーティーなんかしなくたって一緒にいるのに。なにかあったの?」

「そうよね。マリンはいつまでも私達と一緒。願うまでもないわよね。でも・・・それでも私達はそれを願うの。あなたが大好きだから」

私は嬉しくてたまらなくなり、思わず涙を流した
「ありがとう・・・みんな・・・みんなは私の大切な家族だよ」

こうして、幸せなパーティーは夜遅くまで続き、私は寝床に着いた





「もう、近いのぅ」

「えぇ、大分気付いてるわ」

「マリンはこのままだと幸せになれないの?」

「マリンがどう感じるかじゃろう。わしらは、彼女に最善のことをするまでじゃ」

「傷つかないためにわしらが一緒にいるか、あるいは・・・」
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