涙の海
その晩、私はなかなか眠りにつけなかった
彼にひどい態度をとったからだろうか
いや、<眠る>とゆう行為自体に違和感を感じる 少し散歩でもしようと、私はアクアガーデンを泳いで行く
危険な海蛇の存在も忘れ・・・


私はあまり見慣れない夜の海を泳いでいた
すごく静かだ
みんな眠りについたのだろうか
私の大切な家族

「こんばんは、お嬢さん」

その声に私はハッとする
ウェイクの声だ

「眠れないのだろう?」

「何か用なの?私は魔物に用は無いけど。どこかに行かないと人を呼ぶわよ!」

「魔物?おもしろい冗談だが、本気なのか?」

「アルバートの推理が外れるわけないわ」

「あの知識の奴か。あいにくその推理はハズレだ。」

「なら何故私に付きまとうの!?」

「思い出せ。お前も俺も元々は一つだ」

「またそれ!?もういい加減にして!フェイ!アルバート!リック!誰か助けて!」

「無駄だ。奴らは動けないようにしてある。」

「!・・・みんなに何をしたの?」

「手荒なマネはしていないさ。俺の意思、想いがそうゆう力を持っているだけだ」

「やっぱり魔物じゃない!」

「よく聞け。俺もお前も他の連中も、もとは一人の人間だった」

「何よそれ!意味が分からないわ!」

「なら聞くが、あの三匹・・・いや、三つ以外にお前の仲間はいたか?仲間でなくとも、他の生物はいたか?」

「それは・・・」

「この世界はお前の作りだした幻だ。お前は夢の人間、正しくはあの夢が現実だ。お前はある理由で瀕死になり、記憶が混乱して夢と現実を間違えてしまったんだ!」
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