涙の海
反応
リックと遊び、疲れきった私は寝床に着いた
今夜も彼に会えるだろうか
私は彼にもっと喜んでもらいたい



優しい瞳だ
今日は悲しみをあまり感じられない
私は頭を撫でられている
とても優しい笑顔で・・・
それが凄く嬉しくて
それが凄く安らいで

・・・私は彼に恋をしているようだ





朝だ
いつもと少し
ほんの少しだけ違う朝
彼に恋し、彼と離れたくないと願う朝


「おはよう、マリン。調子はどうだ?」

驚いた
目覚めるとウェイクがいたのだ

「なぜここに!?」

私はこの場所を教えてない
それどころか一度しか会ったことないのに・・・

「俺はお前だ。分からないことなどない。ところで、夢の様子を聞かせてくれ」

「分からないことなどないなら夢の様子も分かるんでしょ!?」

私はおそらく彼に不信感を抱いている
悪い人ではないようだが、話の意味が分からない

「まぁな。お前が夢の人間に会いたがっていることも分かるよ」

「私はそんなに子供じゃないわ。夢と現実の区別くらい・・・彼が存在しないことくらい分かってる!」

「もし、彼が存在していて・・・さらには会うことができるとしたら?」

「えっ?」

私は言葉を発することができなかった
昨晩恋をしながらも、会うことが叶わない相手に会えると言うのだから

「もし会えるなら・・・会いたい」

「その彼が、お前を傷つけようとも?せっかく会いに来たお前を裏切ろうとも?」

「それでも・・・私は・・・」

そのとき、大きな影が横切った

「マリンになにしてるの!?」

フェイだ
ウェイクが私に近づいたのを見て、助けに来てくれたのだろう

「よく考えるんだな」

そう言い残すとウェイクはどこかに去っていった
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