君を護れるのは俺だけだって信じてるから【BL】
再び部屋に戻り、階段を転がり落ちる時に打ち付けたらしい、そう君の背中に湿布を貼る。
その最中にも、兄ちゃんは俺を叱りつけるように小言を言ってきた。
「解ったか?凪はコイツ以上に運が悪いんだ」
「だからって、こんな、閉じ込めなくてもいいじゃん?!」
俺の不満はそれに尽きる。
いくら危ないとしても、俺の事情も考えずに軟禁とか酷い。
今日休んだなら、数学のプリントが俺を待ち受けてるっていうのに。
そう訴えると、兄ちゃんは少し考え、それから言った。
「大丈夫、プリントなんて受け取らなくていいよ」
「……受け取らせる気無いんだな?」
にっこり笑う兄ちゃんの後に、そう君が尋ねる。
受け取らせる気が無い?それはまさか。
さすがに無いだろうけれど。
一瞬浮かべたそのまさかを、そう君が代わりに口にした。
「ずっと凪を閉じ込めとく気なんだろ」
この家から出さずに。
その言葉に兄ちゃんは首を振った。
「まさか。そんな酷い事しない」
よかった。
安心した次の瞬間、告げられた言葉に、俺は呆気に取られる事になる。