君を護れるのは俺だけだって信じてるから【BL】
「だーかーらー!
平気なようにお前が運を分けるんだろ?
違うの?なんなの?!」
「傍に居たり、手を繋いだりするだけじゃもう、足りないんだって。
俺だって凪に嫌な思いさせたくない。
でも、怪我される方がもっと嫌だ。
だから、閉じ込めるしか……ないんだよ」
眉を下げながら話す兄ちゃんの顔は、
見ている俺まで苦しくなってくる程辛そうだった。
それは特に、後半へいく程に。
そんな顔させるんなら、閉じ込められててもいいかな。
ちょっとだけそう思ってしまう。
けどそう君は兄ちゃんの表情に絆されはしていなかった。
いや、ある意味共感していたからかもしれない。
さっきよりも熱く、そう君は兄ちゃんに詰め寄り叫ぶ。
「だったら尚更!諦めんなよ!」
肩を掴まれた兄ちゃんは驚いたような顔でそう君を見つめる。
「足りないんならもっと!頑張れよ!
いっそ抱きしめるとかさ!
そうだよ!家にいる間中抱きしめてりゃもっとよくなるんじゃね?!」
やたらヒートアップしたそう君は一人で納得して手を叩いた。
テンション高いなーとそう君を眺めていると、俺を見た兄ちゃんと目が合う。