君を護れるのは俺だけだって信じてるから【BL】
「凪(なぎ)、今帰りか?」
違う学校に通っているはずなのに、
何故だか帰りが一緒になる事が多い。
そして走ってきた兄ちゃんの後ろを、
幼馴染のそう君が必死に追いかけてくる。
ちなみに彼は遠い親戚でもある。
彼は俺から見て、立派に普通の人だ。
だけど兄ちゃんと一緒にいると、
どうも運が悪そうに見えたりしてしょうがない。
今日も今日とてお疲れの様子だ。
「ちょっ、待ってって!」
ようやく追いつき、
ゼーハー言っているそう君。
そこからは3人で並んで帰る。
道中、今日の出来事、
主にそう君の不幸話を聞きながら歩く。
……本当に、運が悪い。
単独でいれば、可も無く不可も無く。
いたって普通の日常が送れそうなのに、
義務教育が終わった後も、そう君と兄ちゃんは同じ学校へ進んだ。
だから、彼は毎日ついていない。
昔から兄ちゃんは、周りの運を吸い取っているんじゃないかとか言われるけど、それも納得されてしまうから困る。
1人頷いた所で、家に着いた。
そう君に手を振って別れる。