君を護れるのは俺だけだって信じてるから【BL】
よく言われるけれど、だけど、
俺は兄ちゃんが周りから運を取っているとは思わない。
だったら俺は何なんだって話だからだ。
何か不可思議な力が働いているとしても、
兄ちゃんは自分に降りかかってくる不幸を避けるから、
偶々そこにいた誰かにそれがあたる。
……そんな感じなんだと思う。
そうすると、そう君は結局運の悪い人になってしまうけれど、しょうがないだろう。
避けるだけの運が無いだけ、そう言う事だ。
また1人で納得して頷いていると、
床に置いてあった何かに躓いた。
「いっ……!」
転んで、手に鞄を持っていたため、
額を床にぶつけてしまった。
音と声に気が付いて、
兄ちゃんが心配そうにやってきた。
「大丈夫か?」
手を差し伸べられて、
それを掴んで立ち上がる。