君を護れるのは俺だけだって信じてるから【BL】


頭を撫でていた手が動き、
頬まで来て止まった。

「護らせてくれる?これからも」

不安そうにそう尋ねてくる兄ちゃんに、俺は頷いた。


何でそんな顔をしているんだろう。

その疑問はすぐに晴れた。


いつものような笑顔に変わり、
立ち上がった兄ちゃんが部屋を出て、
そしてドアを閉める前に、こう言ったからだ。


「じゃあ、ここにいてね」

そしてバタンとドアが閉まり、
次いでガチャリと鍵の閉まる音がする。


……鍵は外からかけられている。


「えっ、ちょ、兄ちゃん?!」

慌ててドアに駆け寄り、
まだすぐそばに居るであろう兄ちゃんに叫ぶ。


「だってこのままじゃ、
凪が死んじゃうかもしれないから」

だから閉じ込めでもしないと、と兄ちゃんは言った。


……だから、って……。


言いたい事はあるものの、もう遅い。

朝になれば出してくれるだろう。

馴染んだ枕を抱えてベッドに入った。

近くに置いてあった毛布は、
見覚えがあるけれど俺のじゃない。
だけど何か、落ち着く匂いがした。


「おやすみ」

ドアの向こうから聞こえてきた声に応えて瞼を閉じる。


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