君を護れるのは俺だけだって信じてるから【BL】
……朝だ。
カーテンの隙間から差し込む日は高い。
寝過ごした!遅刻する!
そう思って飛び起きた時、
目に入ってきたのは、トレイに乗せられた朝食。
それと横に添えられた弁当とメモ。
手書きの文字は兄ちゃんの筆跡で、
帰るまで大人しくしていろと書いてあった。
……登校させる気もないらしい。
本気で、この部屋に閉じ込めておく気だ。
だけど流石に、そうもいかない。
今日は数学のテストがあるんだ。
期末とかじゃないから再試は無いけれど、
休むと大量のプリントを出される。
あの先生は鬼だ。
だからそれよりだったら、
少々の怪我ぐらい、マシだろう。
鞄に教科書を詰め、制服に着替える。
弁当も中に入れてから考える。
……どうやって出よう?
内側に鍵は、無い。