君を護れるのは俺だけだって信じてるから【BL】
そうだ、窓!
ちょっと狭いけれど、出れない事は無い。
隣の兄ちゃんの部屋のベランダに移れば、
下に下りられる梯子だってついている。
鞄をリュックのように背負い、
窓を開けて身を乗り出す。
行けそうだ。
脳内シミュレーションをしつつ、
ふと下を見下ろした。
そう君が歩いているのが見える。
完璧遅刻だろう。
彼の顔を見ると、
朝から何かあったらしく、
疲れているのが見て取れる。
そう君も大変だなあと見ていると、
見上げてきた彼と目が合った。
そして叫ばれる。
「凪っ!あぶ、危ないっ!」
目一杯焦っている彼の足元に、
半端に潰れた空き缶が見えた。
そっちのが危ないよと声をかけようとした瞬間、それに足をとられて転んだ。