夫婦ごっこ
「さっき桃音ちゃんから電話が来て ちょっと
高校の進学の相談を受けてたんだ。」

「なんで?あいつ恒くんに電話してんの?」

「俺の後輩になりたいんだってさ。」

そういえばアイツは受験生だったか……。


「え?桃音ってバカだよ。無理じゃん。
決まりきってることで何が相談なんだか…。
構わないでいいから。」


「桃 可愛いじゃん。」

「可愛くない!!アイツは顔は可愛くても心は汚いから。」

恒くんはゲラゲラ笑いながらバルコニーに出て行った。

「ほんと何なの アイツ。
バカなくせに…何を高のぞみしてんだか。」


私は桃音の事に気をとられていた。


「恒くん寒くないの?」

「うん 桃音ちゃんのテンション高めな電話に
なんだかこっちまであっつくなったし……。
おまけに紅波はおバカとかいうし。」

恒くんはケラケラ笑いながら空を見ていた。


「月がきれいだな~~。
紅波 コーヒー入れて。」

恒くんが優しくて嬉しかったから…
私は何も気がつかなかった。
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