夫婦ごっこ
友達って呼べる人は今までいなかった。
いい子にはしてたけど 心を許したことはない。
でも ビオンは違う。


ビオンの不思議な魔法は私の傷に薬をつけてくれた。

「少し片づけてあげるよ。また
助けてもらったお礼に。」

「いいよ。んな悪いっしょ。」
そう言いながらも可愛い笑顔は期待している。

そして太陽が完璧に登って窓から朝日が
指し込んできてオレンジ色になった。

ビオンはベットに転がってうたた寝をし始める。

寝顔が可愛い……。

恒くんとは違う。

可愛いくて守ってあげたくなる外見だけど
けっこう男っぽかったりする。
頼りがいがある。
ビオンの歌が売れたら 絶対人気がでるはず。

「私がファン一号になるわ。」


床をクイックルして 家具の埃をとったら
けっこういい部屋になった。

「どうせすぐ散らかるんだろうけどね。」

そのうちビオンの寝息が深くなった。


「ありがと。会えてよかった。」

アラームをかけて部屋を出た。

少しの間だけど恒くんを忘れられた。
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