夫婦ごっこ
魔法をかけて
「じゃや なんで私と契約したの?奪い返して
不倫したらいいじゃない。」

恒くんは
まったく恒くんらしくない行動をとった。

「!?」

私にすがりつくようにして
そして抱きしめられた。

「一人で…一人でいたくなかったんだ…。
ずるいとか自分勝手だとか
わかってた……。ほんとに…俺はどうしようもない男で…。
あの時 ホテルに帰って紅波から電話をもらった時……
紅波をこのままにしておきたくない……
そんな都合のいい感情が湧きあがった。
それなら…一人が辛い俺のそばに…置いておきたかった。」


恒くんがまるで子どものように
私にしがみついて……


「ごめん…紅波……。」

声が震えている。



もう何も言えなかった。
それ以上言ったら 自分がここにいる意味さえ
もうなくなってしまうから……。


それでも私はここにいたい


  恒くんのそばで暮したい…。




「契約続行でいいんだよね 夫婦ごっこは……。」

私は恒くんを抱きしめた。
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