夫婦ごっこ
あまり笑わない父親と
口うるさい母親

百点とったとこで褒められたこともない。


百点とれなかったら 言葉で
傷つけられた。


できてあたりまえ
できないなんて クズ……。

それでも愛されたくて
必死だったから
いい子を演じていた。


私は…演技がうまかった。
だから…頑張った

頑張っていい高校に行ったけど

ある日聞いちゃったんだ。


「紅波は ほんと
頭がそこそこいい他には
何の取り柄もない子だから…。
それに比べて 桃音は 愛らしくて
誰からも好かれて……
どうしてこんなに
姉妹で違うものなのかしら。」


桃音は四歳下の妹

勉強は全然できない
ただ活発で明るくて元気で
顔が可愛いだけ……。

「べにちゃん 宿題やって~。」
愛らしくやってきては
私に宿題をやらせる
なかなかな子だった。


ママのその言葉に私は
とうとう爆発したんだ。
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