夫婦ごっこ
「紅波に言われた 偽善者って言葉
あれはけっこう傷ついたな。
俺のしてるのは 恋じゃないのかなって……。」


「ごめん、
言いすぎたんだったら謝るわ。」


「結局自分に酔っていただけなのかもな。
考えさせられたよ。」


「考えるといいよ。
時間はたっぷりあるんだし・・・・。」


「なんか…紅波にそんなこと
言われちゃうんだからますます情けないな。」


その日 恒くんは缶ビールをもう一本開けて
早々に部屋にひきこもった。



 けっこう厳しいんだろうな


恒くんのあの性格なら
千鶴さんに
完璧にフラれてプライドはずたずただろう。


 頑張れ~~


私はなんか一つ厚いカーテンを
開けたようで少しだけ

すがすがしい気分になった。



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