夫婦ごっこ
「桃音ちゃんから電話が来て 夏休み
遊びにくるらしいけど 紅波には連絡あったのか?」

恒くんがスーツを脱ぎながら言った。

「え?私には何もないけど?」

「断る理由もないからさ うちに二泊したいって。」

私はかなりムカついていた。

「私に電話かけてきたら断られるのわかってるから
恒くんに直接言ってきたんでしょ。
卑怯なヤツだよね。」

「まあ いいじゃん妹なんだし
断る理由がないよ。」

呆れたように恒くんが言ったから
急に恥ずかしくなった。


桃音とは 本当に性格が合わない。
今までだって

散々利用されて・・・・
親の愛情も感心も全部私から奪っていった。


  イヤな予感


桃音がいるといいことなんかなかった。
顔が可愛い 性格が明るい
誰からも愛されて 人気者で

両親自慢の娘・・・・・。


私には教科書や本を預けたけど
桃音には可愛い洋服や靴 を与えた。

なんで恒くんに電話するの?
アイツ・・・・・。


イライライライラ・・・・・・


そんな日々が過ぎていき
桃音がやってくる日になった。
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