夫婦ごっこ
恒くんに詳細を報告しているらしく
「明日の10時に着くようだから 迎えに行ってくるけど
紅波も一緒に行くだろう。」

「もちろん。」

桃音と恒くんを二人にはさせたくない。

まったく 歓迎はしないけど仕方がない流れだった。

到着ロビーのイスに腰かけて 桃音を待った。


恒くんが私の顔を見て吹き出した。

「何よ。」


「いや よっぽどダメなんだなって思って。」

「桃音には恨みはないけど 本当に苦手なタイプ。」

「まちがいなく正反対だな。
桃音ちゃんは素直だから。」

「どーせ私はひねくれですよ。」


桃音が出てきた。

ピンク色のあざやかなスーツケースを音をたてながら
引いてきた桃音はまたさらに
華やかさをましていた。


ニッコリ笑って こっちへ向かってきた。

                                      疫病神がとうとう現れた。

「お迎えありがとう。」

小首をかしげて 決め顔が決まる。

「恒くん また素敵になったぁ~。」


  いいな あんたは…
  素直に口にできるから。
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