夫婦ごっこ
「桃音ちゃんはまた一段と可愛くなったね。」

  バカ恒……

「うふふ・・・おねえちゃん 太った?」


人が気にしてる事をズケズケとまぁ・・・
あんたのデリカシーのなさ……
二日間耐えられんの私……。


車の中でも桃音はケラケラとよく笑い
会話もはずんでいる。
恒くんがこんなに笑ったのを見るのも
這う一面を桃音によって
引きだされたようで気分が悪い。

「もうそろそろ卒業でしょう。
進路決まったのかい?

「桃 頭よろしくないから~~。
勉強もしたくないし・・・・専門学校に行って
メイクの仕事でもしたいなって……。
あとはけっこうスカウトされてるから……
そっちも興味あるんだ。」




  スカウトね 


栗毛色の柔らかそうな髪の毛が風にまう。


車のミラーで恒くんが
桃音を見ていたら……


そう思うだけで 激しい嫉妬が湧きおこる。

「おねえちゃん今回は
ダーリンお借りするからね~~。
明日一日 桃に付き合って 恒くん。」


「俺はかまわないよ。」

意地悪恒くんが私をチラ見した。
< 220 / 346 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop