夫婦ごっこ
何がお姫さまだって。
男に媚びるのがうまいんだって 恒くんも
バカだから騙されてんだよ。

初体験だって中学の時 終わらせてるし
ママが親戚の家に遊びに行った時
男つれこんで 何やらやってたの私知ってるし。

それでも ママは

桃音は 可憐で愛らしいわ~~
なんてな~~んも知らないで笑ってるし

パパは嫁にはやらんぞ

ってすっかりあの悪魔に騙されてる。


宿題だって私がやってあげてたし
自由研究は 私がやっていたもの丸うつしだった。
いちいち親に報告もしなかったけど
誰も桃音のたちの悪さに気がついてないんだ。

今頃・・・・
何してんだろ・・・・。
恒くん……あんな胸元とか
パンツ見えそうなスカートとか……


「あああああ~~もう~~~やだやだ~~~!!!」

私はいろんな妄想をしては 叫んでいた。


でも…ああやってできれば
恒くんとももっともっと違う形で
暮らせるんだな……。

私もお姫さまとか呼んでもらいたい。


にっくき桃音がうらやましくて
仕方がなかった。


  私ももう少し自分に自信がもてたら
  あんな風に甘えることもできるんだろうな。


一人の時間は妄想と嫉妬で ぐちゃぐちゃになっていく…。
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