夫婦ごっこ
始発で帰る桃音に
何事もなかったように 振る舞えたのは恒くんが
私を探してくれていたから。

桃音に軽くお腹に入れる朝食を作ってやった。


少し桃音は機嫌が悪そうにしていた。


「おはよう。」私


「おはよう。恒くんは?」


「寝てるよ。もう少しだけ寝かせておくわ。
仕事も忙しくて…家にいてもにらめっこしてるの。
大事な旦那さまだから……大切にしないとね。」

「大切・・・・なんだ。」

「そうよ。大切なの。
私の大切な居場所をつくってくれたんだもの。」


「恒くんおこさないで。
会わないで帰るわ。昨日連れまわしたし…
疲れたのかもしれないから。」


桃音も昨日の今日で・・・会いずらいんだろう。
恒くんに完全に拒否されて・・・

この子なりに傷ついてるのかもしれない。


「おねえちゃんはいいな。」

「え?」

「恒くんと一緒にいられて。」

「うん。すっごく幸せだよ。」
これは本音。


「私がおねえちゃんだったらよかったのに。」

そう言い残すと桃音は

送らないでいいと言って家を出て行った。



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