夫婦ごっこ

ゴミ捨てに出た時　奥さまたちが数人集まって話をしていた。

あっちから私は死角になっていたようで
私には気づかず話をしている。

「聞いた？大浦さんの幼妻　浮気してるって。」

「ええ。仕事場でも噂になってるみたいよ。」

「大浦さん可哀そうね。今　大変な時なのに足引っ張られて。」

「やっぱりあんまり若い妻だと無理なんじゃない？
一人の男に縛れる人生は　まだ早かったんだと思うわ。」

話を聞きながら私は足元からサーーッと凍りついた。

　　何の話なの・・・・？

　　浮気？

「うちの夫が言ってたわ。
自分の夫の足を引っ張るような女は妻失格だし
そんな女を選んだ大浦は　そこまでの奴なんだって。」


　　ちょっと…ちょっと…


「ほら　よく午前中から出かけていくでしょ？
遊びに行ってるって噂でしょ。」


　　パートのこと……

「まだまだ遊びたいお盛んな年頃ですもの。
あらもう体が冷えちゃうわ。
うちでお茶でもしない？」

そう言いながら　グループは去って行った。


私はゴミ袋を手に茫然と立っていた。