夫婦ごっこ
ニ時間後 私は恒くんが言った通り恐怖感を吹っ飛ばした。

機長の声がして奄美大島上空って言った時
恒くんがカーテンをあけて

「紅波見てごらん。」と言った。

私は恐る恐る恒くんに近寄って小さい窓から
下を見ると

地図で見た形の奄美大島と その周りを
憧れの優しいブルーの海が広がっている。

「うわ・・・・キレイ・・・・。」

それから雲を下にみた。
これが雲のじゅうたん……。


恒くんと一緒に見る 美しい風景は
私にとって最高だった。

「見てる?恒くん。すごい すごい・・・。」

「うん。すごいな。きてよかったな。」

「あ~~~ほんと……
なんて美しいんだろう……。」

風景に見とれていたら一瞬 恒くんの視線に気づいて
ドキンとしたけど 気づかない振りをしていた。


  やだ…恒くん…見てるし…
  横顔 自信ないんだけど……。


目も一点を見つめたまま体が硬くなった。


  何 考えてるの?
  私のこと少しでも愛しいって…思ってくれたらいいな…。


沖縄が見えてきた。
シートベルトのサインが出て私はイスに戻った。


「あ 滑走路!!」
もう降りれると思ってテンションのあがった私だったけど
飛行機はそこを通り越して旋回したので
ガッカリしたら 恒くんが爆笑していた。
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