夫婦ごっこ
時間だけが過ぎて行く。

楽しい旅行 美しい風景 そして空虚感


私の願望が大きすぎてなんだかタイミングを
狙いすぎていてとても疲れる。

旅行が決まってから恒くんにかくれて
必死にダイエットした。

その甲斐あって島では ビキニも着れた。
恥ずかしくて 顔から火が出そうだったけど

「いいじゃん~~。」恒くんが言ってくれたら自信がついた。

ただ私は色白だから 恒くんが
Тシャツを着る様に言うから せっかくのビキニは
残念だった。

「日焼けは火傷になるからな。」

そのとおり そばにいたカップルの女の人は真っ赤になって
痛そうだった。

「な?それに紅波は白い方がいいよ。」

恒くんは笑う。

キュン…キュン…

別れの日が近づいている……。
今日こそは……今日こそは……


私の頭にはそればっかり……。


「キャツ」水が飛んできた。

「ボーッてすんなよ~~。」恒くんが私に水をかける。

「も~~こら~~恒浩~~待て~~」


美しい海の中で二人……
幸せそうに見えるよね。


  大好きよ 恒くん…
  時間が止まってほしい……
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