夫婦ごっこ
「びっくりしたな~~彼女何してんの?」

私は答えなかった。

「あ 見た見た 今日さ黒いビキニ着てただろ?
男と一緒で…途中からほら
Tシャツ着ちゃって残念だった……。」

「あ~~あの可愛い子~~。」

この男たちも観光客なのか……。


「柔らかそうな体で美味しそうだったよな~~
やべ~~やべ~~~。」

品なく笑う。


「やめて・・・・・。」

「一緒に花火しようよ。」

その手を振り払ったら 柔道の一本みたいに
砂に倒された。


  冗談・・・・・

男たちの息はかなりの酒臭さだった。


「お高くとまって 男と喧嘩したの?
寂しいならなぐさめるよ。みんなで~~~~。
すぐに元気になるよ。優しくするからさ。」


  やめてよ…あんたたちに触られる体じゃない

「ビキニからはみ出しそうなおっぱいだったよな~~。」


一人が私の胸をわしづかみにして口笛を吹いた。



「恒くん!!!助けて~~~助けて~~~!!!」



その時だった明るい電気がこっちを照らして

「何やってんだ!?」


私は絶対絶命を逃れて おまわりさんにしがみついた。
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