夫婦ごっこ
朝の光が少し開いてるカーテンから差し込んでくる。


  お願い…もう少し恒くんを起こさないで


私はさっきまでの夢のような出来事を思い出しては
恥ずかしいような…
どんな顔をして挨拶しようか
まだ決まってなかった。

愛しい人に愛されて
私はもう 想い残すことはなかった。

「初めて…だった?」

恒くんが聞いた。

「うん…。全部恒くんが初めて。」

「よかったのか?俺で……。」

「うん 恒くんに奪ってもらいたかったの。」

「そうなんだ。痛かっただろ?」

「ううん。恒くんが優しくしてくれたから…。」


そう言ったらまた恥ずかしくて恒くんの胸の下に
顔を隠した。

「ありがとう。私の願いを叶えてくれて。」

恒くんは強く私を抱きしめて

「ありがとう。大切なもの…俺みたいなやつに…。」


「今日だけは…この旅行中だけは……いい?
新婚旅行ごっこ……。」

「いいよ。」

「ありがとう。最高の思い出になるよ。」

そしたらまた…恒くんが愛してくれた。


  時間よ止まれ……

  永遠に恒くんと一緒にいられるのに……。
< 301 / 346 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop