夫婦ごっこ
ミミちゃんの店に お土産を持って行った。
お礼にとランチをいただいた。

「美味しい~ミミちゃんの料理最高だな。」

「そうでしょ~~。ベニーも旦那さんに美味しいもの
作ってあげてる?妻は料理で夫を縛りつけるのよ。」

「うふふ…。でもねうちら別れることになってるの。」

思わず出た言葉にミミちゃんが素早く反応した。

「だって沖縄行ったんでしょ?
楽しかったって教えてくれたでしょ?」

「うん 楽しかった~~最高だったよ。
お別れ旅行だったの。」

「よくわからないわね。どういうこと?」

「私ね恒くんの足でまといだから…恒くんのために
何もしてあげられないのが悲しくて辛くて
解放されたいの。」

「足でまといって何?」ミミちゃんお怒りモード

「ベニーも私にとってはビオンと同じ孫のような存在なんだから
ちょっとうるさく言わせてちょうだい。
それで旦那は納得したの?」

「恒くんは私が決意したことは文句言わないもん。」

「そんなその若さでバツイチだなんて
これからどうやって生きていくの?」

「仕事探してるけど……。」

「あるわけないでしょ。そんな世の中簡単じゃないよ。
仕事選ばない なんでもするなら別だけど
ベニーはそんなことできないでしょ?」

図星だった。

「でももう後戻りできないの。
最後だからってわがまま一杯聞いてくれたから。」

そうだから抱いてくれたの。
契約違反しても……。
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