夫婦ごっこ
人気の出てしまったビオンにそう簡単には
会えなくなってしまうのに

恒くんは私がビオンと会えないことを
ずっと気にしている。


  鈍感……。

でも もうその勘違いをしていてもらおう。

「ほんとごめん。
足引っ張っちゃって…俺ってほんとダメだな。」

「恒くんが悪いんじゃないよ……。
巷では流行りなんだから……。」


熱はやっと38度に下がったけど
私はぐったりしている。

「なんか食べたいものは?
お粥ってどうやって作るんだ?お湯入れるの?」

言葉を返すのもやっとなんだよね……


「お粥はいいよ……。プリンとかみかんゼリーが食べたい。」

「わかった。少し寝てなさい。
今 買ってくるから。」


恒くんが今日休みでよかった。


「恒くんのご飯もね……。」

「わかったよ。」


優しい恒くん……
心配してくれるのよくわかる……。


  大好きだよ。ありがとう……。


私は眠りに引き込まれて行く・・・・・。
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