夫婦ごっこ
「優しくして……。」
またこうして恒くんに 愛されるなんて
思ってもいなかったから…私は幸せの絶頂の中にいる。

恒くんは宝物を扱うように 優しくそして甘く
だけど私を女に変えてしまう魔法をかけていく……。

  愛を確かめ合うって…こう言う事なんだ

一つになって…二人がつながって……
遊びじゃできないって…私はそう思った。

一生 恒くんにこうして愛されるのは
私の運命だって……。

弾む息を落ち着かせて 恒くんが

「病院 俺一緒に行くから…。
明日休みとるから…違う病院に行こう。
ちゃんと治してくれるとこ。」

恒くんの腕の中で 私はドキドキしていた。
このことを伝えたら どんな顔をするかな……。

「多分ね…入院すると思う……。」

「入院!?」

みるみるうちに恒くんの顔が絶望した表情に変わった。

「なんの病気なんだ?悪い病気なのか?
なんで話してくれなかった?一人で苦しんで……
もうそういう我慢は絶対にするな!!
これからは一緒に 戦ってくんだからな。」

また恒くんの目に涙がたまってきて
私は あんまりイジメすぎたかなって反省した。


「うちの病気……つわり…だった。」

「え?」

恒くんはとても長い間をとって
「え……あれ……マジ……嘘……。」
一人ごとのようにブツブツ言った。

あまりに間があって私はさすがに緊張した。

「マジか~~~~!?紅波…俺の子…いるのか?」

体を起こして私のお腹を直視した。

「あの時の子ども……。」

恒くんの満面の笑みが私の最高のプレゼントになった。
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