夫婦ごっこ
「あれ?大浦~~!!」

神社の方から声がした。

「前さんと千鶴さんじゃない?」
私が言うと恒くんは

「チッ…。」と舌打ちをした。

よっぽど嫌いなんだな……。
いい人っぽいけど……。


「おはようございま~~す。」
私はニッコリ笑顔で挨拶した。


「ありゃ…ありゃりゃりゃ~~
大浦くんって…手なんかつないで……意外だな~~。」


前さん…からかうからダメなのよ…。


「うっさいな。」


「そういうお二人もペアルックですか?」
前さんと千鶴さんはお互いの顔を見合って

「一応新婚ですから~~って後期限は一週間ないけどね。」

前さんが目をクルクルさせて小首をかしげた。
私はもう耐えきれなくて朝もやのなか
大爆笑してしまった。

「あははは・・・・もう・・・あははは・・・
めっちゃ前さんきゃわいい~~。」

「ウフッ…大浦さんを想う気持ちは紅ちゃんには
負けないわよ。」
おかまさんのような仕草で大きな体をくねらせた。


「あは・・・あはは・・・もう…お腹いっぱい……。」

涙を拭きながら腹を抱えた。
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