夫婦ごっこ
「ほんとにもう とも………。」
千鶴さんが言葉を濁した。
「いいんですって。ともちんって…可愛くて~。」
「そう?ともちん調子乗りすぎよ。
家でもずっとこんな感じだから…ごめんなさいね。」
前さんが頭をかいて 恒くんにも
「悪かったな。」と言った。
「おまえはふざけすぎだからだ。」冷たく返す。
慌てて私は恒くんを押した。
「そんなこと言わないで 前さん
また絶対笑わせてくださいね。」
悪いことをしてしまったと私は悲しくなってきた。
「あ・・・・わかってるって
人間はそんなに簡単に変われないんだから。
また笑ってもらうから気管鍛えておいてよ。」
前さんはまた大きな声でそう言ってくれて
私はほっとした。
「私の弟がぜんそくでね。苦しいんでしょ?」
「私は季節の変わり目にちょっとやるんです。」
「秋から冬とか…大変なのよね。
寒くなるときが一番だから こっちは
かなり寒いからちゃんと病院行って予防したほうがいいわ。
何かあったらすぐ診てもらう病院も。
大浦くん ちゃんと見つけてあげてよ。」
「わかった。」
千鶴さんって…すごく素敵…。
この恒くんがなんだか子供みたいに見えた。