夫婦ごっこ
「紅波。」恒くんの声に やっと安心した。

もう私の居場所は恒くんのとこしかない……。

「今日 発起人代表してくれる上司の桜井さんと
同僚の柴田 吉田 堤さん 高橋さん……それから…。」

「前で~~す!!」

前さんが現れた。

「今日はどうぞよろしくお願いいたします。」

私は深く頭を下げた。


上司の桜井さんが
「噂には聞いていたけど 幼妻~可愛い奥さんだね。」
と言ってくれて

私はとびっきりの笑顔で返した。

「キャ~~めっちゃ可愛い~~。」
堤さんと高橋さんが手を叩いた。


「ありがと。」ぶっきらぼうに恒くんが言うと

「おまえに言ってないから~~。」と桜井さんが笑った。


「しかし・・・うらやましいな~~。
七歳も下なんだって…。こりゃ犯罪だぞ。」
柴田さんと吉田さんが からかうように言った。


「二次会の時ね 大浦くんがどんなダーリンなのか
詳しく教えてね。もう注目なんだよ。俺様を射止めた
幼妻って~~~。」


「俺様なんですか?」もちろん家でもだけどね……。

「そうなのよ。けっこう……怖いって言われてる。
ね~~?前さんなんかいっつも怒られてるでしょ。」

高橋さんが 前さんをど突いた。
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