夫婦ごっこ
「まったく・・・あいつら呼んだの間違えだったか。」

恒くんは汗をふいた。

「いいね。友達。
私はいなかったな~~あんな友達。」


「いい時もあれば悪い時もあるさ。」

恒くんは 私の髪飾りを直した。

「そうそう ブーケ 手作りだったんだって~~
ありがとう~~。」

「うん。紅波にプレゼントだ。」

「嬉しいけど…枯れちゃうんだよ…。」

「また…買ってやるよ花くらい。」

「ほんとありがとう~~。」

まるで本当の夫婦みたいな会話が刺激的だった。


「お熱いですね~~。」桃音が会話を断ち切るように入ってきた。


  空気読めよ……。

「でもほんと素敵~~恒くん~。王子さまみたい。」

あのころ小学生だった桃音は
けっこう恒くんがお気に入りだった。

「ありがと。桃もめっちゃ可愛いよ。」

私は桃音の頬が赤く染まったのを見逃さなかった。

「美人になったな~~俺が知ってる桃は鼻たれのガキだった。」

桃音は恒くんの体をボコボコ叩きながら

「鼻なんかたれてないし~~~!!!」


  ねぇ…それ以上近づかないでくれる?

桃音の黄色い声はとっても耳触りだった。
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