夫婦ごっこ
昔の女
想像するだけで虫唾が走る花束贈呈は恒くんが
挨拶してくれて 私は花束を恒くんの母親に渡した。

うちの親は 親らしい顔を装って
母親は涙を拭いたふりまでしてゾッとした。

  ママも演技派なんだ……。

それからがまた大変で 着替えて荷物を
普通のカップルが初夜を迎えるスゥートルームに
置いたと思えば 二次会が行われてる
貸切のクラブに急いだ。


私は未成年だからお酒は飲めないから ソフトドリンクのみ
会社の人たちに二人でお酒をついでまわる。

  奥さんって大変なのね……。

恒くんがお偉いさんにつかまったので
私が一人で戻ってくると 発起人さんたちの
テーブルに呼ばれて座った。

その中には前さんもいた。

「あら?千鶴さんは?」
千鶴さんが見当たらなかった。

「ああ 千鶴は今日は大学の人達と一緒だよ。
たまに会うんだから向こうで楽しんでおいでって
移動した店にいるから よろしく頼むよ。」

前さん。

「大丈夫なのか~~千鶴ちゃん美人なんだから
大学時代のやつらに変なことされないか?」

おもしろがってみんなでからかう。

「千鶴は俺一筋なもんで。」

前さんはニコニコしてビールをのみほした。
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