夫婦ごっこ
新婚旅行は行かない

二人で行ったところで何もすることもないし
恒くんはそう言ったから

「いいよ。」と答えた。

私は車の免許を取りに行き ひさしぶりに
勉強というものを真剣にやった。
もともと頭はいい方だし 運動神経も悪くないし
期間内に免許をとってしまった。

「恒くん付き合ってよ。」

「え~~めんどいな…。死にたくないよ。」

「だって運転しなきゃ意味ないじゃん。」

「じゃあDVDかりに行こうか。」


車の運転席に座ると 恒くんが後部座席に乗ろうとした。


「こら~~ちょっとお願いだから
なれるまで横に座ってよ。
ちゃんと付き合ってくれなかったら恒くんのために
動いてあげないよ。」

「わかったよ。頼むぞ…。」

「大丈夫よ 先生にはいつも褒められていたの。
ただ道がよくわからないから。」


おどおどしてる恒くんも可愛い。

「ほら 早くウインカーあげて…前確認したか?」

乗った瞬間 口うるさくなった。

「うっさいよ。恒くん いい加減にしてよ。」


車の中は騒がしい。
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